家づくりのコツ

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ままここっと
Vol.8

家における夏の暑さ対策

風の流れを計算し、日射をさえぎる工夫を
今年の夏は35度以上の猛暑日が続きました。しかし、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺があるように、秋から冬に家づくりを考える人は、寒さ対策に目が行きがち。夏の記憶は薄らいでしまいます。
しかし、地球温暖化が進み、年々、夏の暑さが厳しくなっている昨今、家づくりでは夏場の暑さ対策もしっかり考慮しなければいけません。ぜひ、次の5つの対策を設計の段階で取り入れてみてくださいです。
まず、第1に、風の流れや日射のさえぎり方を計画的にデザインすること。これを「パッシブデザイン」と呼びます。風の流れに関しては、窓の形状や大きさ、設置場所が大きく影響します。また、軒の出を計算して設置すれば、かなりの日射をさえぎれます。これらは、マイホームが建ってからでは変更がきかないので、設計の段階できちんと考えておいてほしいポイントです。
第2に「日除け対策」です。例えば、軒では対応できない窓に、シェード(よしずのようなもの)をつけると、室内の温度は下がります。また近年の夏は、朝の日射しも強く、午前中から気温がグンと上昇し、それが夜まで続くというケースが増えています。そのため、「東面に大きな窓をつける」という従来の考え方も見直す必要があります。
照り返しや湿度対策も忘れずに
第3は「照り返し対策」。テラスにコンクリートを敷くよりも、照り返しの少ない新素材のブロックを選んだり、木を植栽する方が、暑さ対策にはおすすめです。
第4は「扇風機やサーキュレーターの活用」です。これらはエアコンを助ける強い味方。家中の空気を拡散して、建物全体を冷やす役割をします。また、扇風機やサーキュレーターは一晩中回し続けても電気代はわずかです。節電効果も大きいので、有効に活用しましょう。
第5は「湿度対策」。人は同じ気温でも湿度の低い方が、涼しく感じるものです。湿度50%前後が体に快適といわれています。できれば漆喰やエコカラットといった調湿素材を壁面に使うと理想的です。
マイホームをつくる際は間取りやデザインに目を奪われがちですが、住み心地を追求した家は家族の安らぎの場になります。
※この記事は「子育て情報誌 ままここっと2019年秋号」にも掲載されました。